大人からフルートを習い始めるのを決めて、楽器購入で「初心者向け」か長期的に「中級レベル」にするか考えたでしょう。
先生や楽器店で相談して、おすすめのフルートを教えていただいた方もいるはず。
選定を先生にお願いしたり、楽器店お勧めのフルートを選ぶ方はいます。
「どのメーカーのが自分にいいかわからん!」
「初心者向けならいくらぐらいがいいの?」
「メーカーでなにか違うものってあるの?」
と気になる点は多いでしょう。
大人の初心者向けお勧めのフルートメーカーを紹介します。
結論からいえば。国内メーカーの初心者向けが安心
30代ぐらいからフルートを習い始めるのなら、いきなり中級向けモデルを購入する考えはあってもいいです。
40代以降は家庭への出費が多くなる年齢です。
大人からフルートを習うには、楽器購入はハードルが高い話です。
楽器のコンディション維持にはメンテナンス費用も考える必要が出ます。
私のは楽器店でリペアマンさんが
対応してくれるよ
私はちょっと違うのよね
フルートはアマチュア・プロ関係なく、定期的に点検・修理などが必要です。
想像以上にデリケートな楽器といえます。
困った時の相談や購入で一番ハードルが低いのは、国内メーカーの初心者モデルです。
国内メーカーのフルートで初心者へおすすめ2つ!
初心者で全く楽器に触れたことがない方はいるでしょう。
初心者モデルのため、海外拠点で生産しているメーカーはありますが、必ず検品は受けているので安心して吹けます。
私がフルートを購入する際、フルートに精通した楽器店の店員さんの説明などを聞き、その後も質問をどんどんしました。
お話の中で私が気づき、勉強した上でおすすめのフルートを紹介します。
国内メーカーとしては不動。ヤマハ・YFL-212
※写真はYFL-211です。
老舗の国内メーカーとして「安心して購入できる」と信頼度が高いです。
初心者向けモデルのYFL-200シリーズは、吹奏楽部の新入生や大人の初心者向けと定番になっています。
私はYFL-211だったわ
よい点としては、
- 長年の技術開発から初心者に適した設計
- 素材の価格が低い為、値段を抑えている
- 非常に音が出しやすい
- 音の出し方が安定するのが早い
です。
初心者には優しい設計と価格設定、素材面での音の出しやすさ。
指導する先生で、生徒さんの演奏歴からこのモデルを勧める方は多いです。
音は明るめで少しおとなしい聞こえ方はします。
保証面を気にする方なら、このヤマハのモデルはお勧めできます。
初心者さんにはありがたい。ヤマハ独自の楽器保証サービス
昔のヤマハは「保証サービス」はありませんでした。
私が過去にやらかしたのは「楽器の落下」で、学生時代に自分のトロンボーンを落としてしまい、凹ませてしまいました。
凹ませて修理代は高く、学生は親に頼るしかありませんでした。
今も落下・転倒・ケースの締め忘れなどによる「楽器のへこみや損傷」は絶えません。
ヤマハしかやっていないサービスとして、「安心サポートサービス」をヤマハの楽器を買った人のみに行っています。
ヤマハ独自の「安心サポートサービス」の内容とは
「安心サポートサービス」には、以下の保証がつきます。
メンバー登録をしてから有効になり、無料で加入できます。
- 楽器購入の1年間のメーカー保証と5年間の保証
- 自然保証にも対応(しっかり手入れをしていたのが条件)
- 物損保証(落とした・ぶつけた・落下させた)
- メンテナンス費用のサポート(購入から1年しか適用できない)
楽器店で詳しく聞いてみたところ、どちらかというと「物損」に強いサポートサービスです。
- 楽器購入した購入日
1ヶ月以内にヤマハミュージックメンバーズに加入
- 購入から1ヶ月以内にメンバーに登録完了メーカー保証開始
購入日から1年間の保証開始(初期不良や修理に関する保証)
- 購入日から1年経過サポートサービスの保証開始
登録が前提。4年間の独自保証開始
- サポートサービスの4年間終了サポートサービスの契約終了
メーカー保証の1年間とヤマハの独自サポートの4年間。
合計5年間の保証が終了。
終了後は、故障や物損の対応は自己負担
例として、木製のクラリネットが乾燥で割れた場合
普段から先生に言われた
手入れはしてたぞ!
普段からオイルパックをしていたのに、亀裂が入った場合は「自然保証」対応となります。
私にもいえる「これはサポートしてー!」は、物損保証ですね。
先生から置き方などの指導は受けるけれど、うっかり落として凹ませたりなど故障させてしまう方は多いです。
楽器店への修理依頼は、「落としてしまった」「ぶつけた」での修理が多いので、ヤマハの安心サポートは物損保証に重点をおいています。
パールフルート・ブリランテ。ヤマハにない工夫で初心者も安心
※写真は「ドルチェ」です。
パールフルートは、国内メーカーで千葉県で生まれたフルート専門メーカーです。
このメーカーの売りは「一本芯金」で、パールフルート独自のシステムです。
フルートマニアが、パールフルートを高く評価するのは、修理・点検時が楽な独自構造を高く評価するのです。
点検で持っていっても、結構早く
戻ってくるよ
新品を買うのに候補に残ったは、ヤマハとパールフルートの2つになりました。
ヤマハが「優等生的な音」とすれば、パールフルートは「陽気で明るい音」です。
「ブリランテ(PF-525E)」は、初心者モデルながらもリッププレートに銀(Ag925)を使っています。
※楕円形の形のプレート部分が「リッププレート」と呼ばれる箇所で、ここのカットや素材を変えると音がガラッと変わります。
ヤマハはリッププレートは本体と同じ素材ですが、パールフルートは初心者モデルでも「フルートの豊かな音」にこだわりを持っています。
珍しいのは、初心者モデルならキーは「カバードキー」なのに、パールフルートは「カバードイキーかリングキー」か選べる点です。
私がパールフルートに惚れた点とは?ちょっとした差で決まった
キーの違いで値段は変わりませんが、私自身がパールフルートに惚れた点があります。
足部管のキーの位置が、私にとって扱いやすかった点です。
ヤマハなどのメーカーを試奏して、しっくりこなかったのは小指の位置でした。
パールフルートの気になるモデルを試奏する驚くばかり。
小指のキーの位置が私にはくるので、驚きました。
足部の小指を使うキーの位置はどうでしょう?
パールフルートの小指のキーは、他メーカーより少し下にあります。
個人差はあるでしょうが、手が小さめの私には操作がやりやすい作りでした。
写真は私が吹いているパールフルートの「ドルチェ」ですが、キーメカニズムの芯と小指を置くキーに隙間が大きくあります。
ヤマハの場合は、芯と小指を置くキーの開きがほとんどありません。
ちょっとした違いで奏者にとって吹きやすいフルートが変わります。
試奏でびっくりよ
体格差などがあるからねぇ
操作性や吹きやすさ、どれぐらい自分は楽器を吹き続けるかは重要です。
パールフルートで、初心者モデルとしてお勧めできるのは「ブリランテ」です。
もし予算に余裕があれば、頭部のみ銀製でなら「ドルチェ」をお勧めします。
手に入らないかもしれない。AZUMIフルートも候補に。
AZUMIフルートは、先生から教えていただいたフルートメーカーです。
プロの方が多く吹いている「アルタス」が妹分として監修していて、製造は台湾で行われています。
細かい作りはアルタスの技術が入っており、素材を変えるとアルタス特有の音色になりえます。
先生のはアルタスの
でしたよね?
えぇ、そうよ。14kよね
参考に「AZ-Z1E」モデルでどのような音かをお聞きください。
少しだけフルートのことを調べて、アルタスに憧れている人には手が届きやすい価格帯です。
リッププレートのみ銀・頭部管のみ銀のモデルは、初心者でも十分吹けるモデルです。
点検・修理も楽器店でお願いしやすいメーカーです。
手に入りにくくなったあずみフルート。なぜ?
AZUMIフルートは、アルタスフルートとの妹ラインです。
最近はAZUMIフルートの知名度が下がっていて、存在を知っている先生の紹介で買う方が多いです。
先生に教えてもらったのよ
問い合わせがあった時は
びっくりしたよぉ
私の場合、先生からお聞きして楽器店へ問い合わせをしました。
AZUMIフルートの在庫わずかで、日本になければ台湾からの取り寄せです。
もし、店頭で見かけた時は試奏して買うかを決めるとよいメーカーです。
私が新たなフルートを買おうとしたのは2024年1月中旬でした。
店頭に在庫がなく取り寄せの場合、試奏せずに購入となる場合もあることを覚えておきましょう。
初心者向けフルートの価格帯について。買い時が非常に難しい
最近の世界的な物価上昇と、フルートに使われる材料の値上がりで、楽器購入が厳しくなっています。
20年前に購入したヤマハ・YFL-211は、約5万円で購入できました。
パールフルートについては、1年前に購入した時は約13万円でした。
私の場合はドルチェの価格だよ
現在は17万円と値段設定になっていて、短期間で4万円値上がりした計算になります。
どのメーカーも、いきなり価格変更を行いますので、買い時が読めなくなっています。
気に入ったメーカーで「これがいい」と決まっていれば、すぐに購入できるようにお金の管理と、タイミングを知ると良いでしょう。
ムラマツやアルタス、サンキョー・ミヤザワは、初心者にダメなの?
プロのフルート奏者が使っているメーカーとして
- ムラマツ
- アルタス
- サンキョー
- ミヤザワ
は必ず名前があがります。
3メーカーともに「初心者向けモデル」は販売されています。
大人の初心者にお勧めできない大きな理由があるのです。
初心者モデルでこの値段?フルートのびっくり価格
4メーカーともに、初心者向けモデルは販売されています。
この4メーカーは、頭部管のみ銀かリッププレートのみ銀モデルかなのです。
私もびっくり仰天したわ
驚いたよね〜
この3メーカー、初心者モデルはたまに店頭に並びますが「値段が高い!」驚きます。
メーカー・モデル | 価格(税込価格) |
ムラマツ・EX 頭部管銀製 | 290,400円(※Eメカニズム・38500円必要) |
アルタス・A9 頭部管銀製 | 297,000円 |
サンキョー・エチュード(頭部管銀製) | 291,500円 |
ミヤザワ・102BR リップ銀製 | 203,500円 |
※2024年12月12日時点での価格です。ムラマツはEメカニズムがオプションとなります。
ミヤザワフルートは、セミハンドモデルで少し職人さんの手が入ります。
その分納期が長引きますし、手間賃として値段は上がります。
フルート初心者は息の量不足で音は出にくい
4つのメーカーに共通していえるのは、
「初心者モデルなのに、簡単に音が出ない!」
点でしょう。
私はアルタスの初心者モデルを最近吹きました。
なんとか音は出ましたが、「習い始めだときつかったかも」と思うぐらい、息とリッププレートの抵抗感を感じました。
今からフルートを真剣に勉強する中高生や、しばらく習い続けている大人でメーカーを変えたい人が買い求めるメーカーです。
趣味程度で楽しみたい大人には、メンテナンス費用や修理費用も考えると、40歳以降からの大人の初心者には買いづらいメーカーです。
どのメーカーを買うにしても絶対やってほしいこと。
フルートのメーカーやモデルが決まり、実際に買うと決めると「本当はどれがいいのか」と迷います。
どのフルートを買うかは、個人の好みが大きくなります。
決めてはいても、買う前にやって欲しい点はあります。
気になるフルートは必ず納得のいくまで質問はしよう
買うと決めれば先生や楽器店の店員さんが、あなたに適したフルートをいくつか出してくれるでしょう。
事前に自分で決めたフルートはあるかもしれません。
気になることはどんどん質問をして、納得するまで聞いていましょう。
気になりながら演奏をするよりは、気になる点を理解して買うと演奏に不安を感じません。
これはと思うフルートは必ず試奏しましょう!
ヤマハやパールフルートの初心者向けフルートでも、絶対に試奏はしてみてください。
指がキーに触れやすいか?
構えてみて腕や肩に負担がかからないか?
もし、音出しができるなら、出なくてもいいので唇とリッププレートのフィット感がいいかをチェックしましょう。
インターネットで楽器購入はできるようになりました。
ネット購入は試奏ができないので、楽器店での購入を強く勧めます。
点検・修理をお願いしやすい楽器店で購入をしましょう。
フルートは、ちょっとしたことで歪みが起きやすい楽器です。
歪みやタンポの劣化確認で、最低年に1度の点検は必要な楽器です。
え?そうなの?
面倒でも大切なのです
定期的に点検してもらうと、微調整やオイルを指してもらって、ベストな状態に保てます。
点検や修理は、訓練を受けたリペアマンが行います。
常にリペアマンがいるお店は、安心して利用できるお店です。
まとめとして
初心者のフルート選びでは、無理のない価格帯で扱いやすい楽器を選ぶことが大切です。
アルタス、ムラマツ、サンキョー・ミヤザワは魅力的です。
しかし、この4メーカーの初心者モデルでは大人から購入となると家計などに悩むかもしれません。
初心者として最初の1本に選ぶなら、ヤマハやパール、AZUMIフルートがおすすめです。
特にヤマハとパールは、取り扱い楽器店が多いため、初めての方に安心して勧めします。
ぜひ、自分に合った1本を見つけて音楽を楽しんでください!