大人でスキマ時間ができて、ふと「新しくフルートを始めてみたい、憧れの楽器に挑戦してみたい」と考えている方は多いかと思います。
フルートは、軽くて持ち運びがしやすく、優雅で美しい音色が魅力的な楽器です。
実際に始めてみると、楽しいし時々難しいと感じる点は多いです。
今回は、大人になってからフルートを始めるメリットと意外な点を紹介し、大人ならではの楽しみ方もお伝えします。
大人になってからのフルートを始めるメリットは?
フルート演奏には、心身の健康や生活の充実を促す魅力がたくさんあります。
フルート独自の演奏技術は必要で、美しいフルートらしい音を出すまでにはもちろん苦労はします。
最初は音が出なくて泣いたわ
最初から完璧ってのはないわよ
経験者でもブランクが長いと、音が出ないなどの悩みはあります。
ここで、大人から始めるからこその楽しみやメリットをご紹介します。
演奏をすると自然と集中力がアップ!
フルート演奏は、楽譜を読み、指を動かし、息を調整しながら音を作り出す動作で音がでます。
口の形がフルートにあう形でなければ、音は出ないし口周りが疲れてしまいます。
初めてフルートを学ぶ時には「安定したアンブシュア作り」を徹底的に指導します。
最初にしっかり教えていますよ
口周りの筋肉に頼らない「リラックスした口」が重要になり、ヨガの呼吸とも似ています。
他には、フルートは指をよく動かす楽器です。
楽器演奏で指を動かすことが脳によいと発表があるので、脳トレにもなります。
高齢者での調査でもわかるように、大人からの楽器演奏は脳によい刺激を与えるわけです。
フルートを吹く時間は、心をリフレッシュさせ、頭も若々しく保つ効果が期待できます。
演奏によるストレス解消とリラックス効果あり!
フルートの柔らかく心地よい音色は、聴くだけでなく吹く人にも癒しをもたらします。
え?そうなの?
意外とご家族が聞いていて、一言褒めてくれるだけで大満足。
自己練習やレッスンでは、集中するせいか「自分だけの時間」と変わります。
練習やレッスンでは、日常のストレスを忘れさせてくれるでしょう。
フルートを通じて仲間と楽しめる機会が増える
フルートは、アンサンブルやオーケストラ、吹奏楽といった多くの場で活躍の場がある楽器です。
同じ趣味を持つ仲間と出会い、音楽を通して一緒に成長できる楽しみがあります。
特に音楽教室のレッスンで、グループレッスンを選ぶと仲間は増えやすいです。
マンツーマンレッスンでも大丈夫よ
イベントやサークルってのもありよ
楽器店独自のサークルや、SNSで参加者募集のサークルはあります。
サークルやイベントによっては「最低限この音は出せるように」と条件がつくケースはあります。
参加条件がクリアできれば、いつでも参加できるので慌てなくても大丈夫です。
レベルを問わないところもあるので、気になる点は申し込みの時に聞いてみましょう。
グループレッスンやサークルで、仲間ができやすいのは「同じ目標がある」からです。
さらに演奏会では、他の楽器を吹く人とも親しくなれるので、より多くの音楽仲間ができます。
ひとつの課題を達成した時の嬉しさと表現力アップ
楽器演奏は、少しずつ練習を積み重ねていくことで確実に上達が感じられます。
一気に上達するわけではなく、時々スランプに陥ることはたくさんあります。
楽器が違えば、1からやり直しだよ
大人からとなれば、会社勤めや家事などで練習時間は限られます。
学生さんとは違い身体的な問題・練習時間の都合で、なかなか課題が進まない時期はあります。
挫けそうになっても、課題をひとつ乗り越えれば、嬉しくなるのは当然でしょう。
自分の音を作り上げていくことで、日常生活にも張り合いが生まれます。
大人からのフルートを始める際の難点と心構え
学生さんは勉強や部活をしながらも、フルート演奏の練習時間は確保しやすいです。
大人から始めるフルート演奏には気をつけたい点やデメリットはついてきます。
もちろん年齢を重ねると、身体的にフルート演奏が難しい点は出てきます。
しかし、フルートの特性を知り工夫することで、無理なく楽しめる方法はあります。
フルートって意外!実は息の使い方が難しい!
フルートは、見た目以上に息の調整が難しい楽器です。
フルートって簡単じゃないの?
そう話す生徒さん多いのよ
吹奏楽関連の楽器で、一番難しい楽器は「ホルン」と言われています。
しかし、フルートは単純な構造ながらも安定した演奏がしにくい楽器です。
腹式呼吸と「アンブシュア(口の形)」の安定が重要な楽器で、息のコントロールがしにくいからなのです。
横隔膜の上下運動で肺に入る息の量を調整するのですが、マスターするまでに時間がかかります。
先生の指導のもとで指導を受けますが、最初は酸欠状態になりやすく、めまいを起こす人さえいます。
自己流ではなく、先生の指導のもとで腹式呼吸の練習をすれば、徐々に正しい腹式呼吸ができて音色にも反映されていくでしょう。
学生吹奏楽で言われる筋肉トレーニングは必要?
学生の吹奏楽部を教える方で「吹奏楽に筋トレは重要」と語る人はいます。
実際は「演奏に使う筋肉はあればいい」ぐらいで、過度の筋トレは必要ありません。
大人でフルートを含めた楽器演奏では、楽かつ確実に「腹式呼吸に必要な筋肉の付け方」を教えます。
図のようなトレーニングの他に、簡単にできて着実に腹式呼吸が身に付く練習方法はあるので、自己流の筋トレ・腹式トレーニングはストップしましょう。
音出しからあらゆる演奏技術ができるまで時間がかかる
フルート演奏は、初心者にとって口や指の使い方が難しい部分もあります。
特に口元のアンブシュア(息を吹き込む口の形)が安定するまで、時間がかかります。
鏡とにらめっこチェックだよ
他にも覚えることは多いので、体調面でついていけなくなる大人の生徒さんは多いです。
しかし、多くの生徒を指導している先生は「大人の生徒への教え方」に慣れているので、心配は無用です。
忙しい生活の中で練習時間を確保しづらい!
演奏上達には「1に練習、2に練習」という先生はいます。
しかし、まだまだ働くアラフォー・アラフィフ世代はどうでしょう?
仕事や家事はもちろん家庭事情でまとまった練習時間をとるのは難しいです。
仕事はあるし家事もあるよね
子供が小さい時は無理だったよ
楽器演奏の上達への道は「スキマ時間の活用」が重要です。
肺活量や体力面で最初は10分ぐらいで疲れてしまうので、気負わずに「自分の時間を持つ」ぐらいの気持ちで取り組んでみましょう。
一番きつい問題。楽器とレッスンに費用がかかる
いざ習おうとして一番悩んで困るのが、楽器購入とレッスン代などの費用でしょう。
フルートの購入代金やレッスン代のほかに、楽器の維持費も必要。
私自身も大変悩みました。
楽器本体に至っては、物価高騰に伴い新品の楽器では、最低モデルの価格は約10万円前後しています。
昔は5万円台だったよ
物価上昇で中古品人気が高まり、楽器店でも中古品で整備完了品を安く買えるように力を入れています。
ただ、楽器をいつもいい状態に保つために、最低でも1年に1度は点検を受けて、不具合の調整・修理は必要です。
購入から最初の1年はメーカー保証で対応できますが、ぶつけたりした場合は有償になる場合はあります。
最近ではヤマハが学生モデルに5年間保証をつけて販売するシステムになりました。
レッスン代は対面レッスンでは、月4回レッスンで1万円台がほとんど。
オンラインレッスンが普及し、安くて内容が充実したレッスンを提供する先生は増えました。
気軽にレッスンを受ける手段が増えたのは良い傾向です。
私がフルートを習い始めてからの話
私は30歳の時にフルートを習い始め、結婚・出産・育児を経て、51歳から再度習い始めました。
昔、中学生時代はトロンボーンで憧れのフルートには入れませんでした。
大人になって多少お金もあったし、ちょうど大失恋をしたばかりで「なにかストレス発散したい」と選んだのが楽器演奏でした。
そして、選んだ楽器はフルート。
最初は大手楽器店の教室、現在はオンライン専門の教室で習っています。
大手教室時代の思い出と指導方法
当時はオンラインレッスンはないので、対面レッスンしかありませんでした。
私が重視したのは、
- 楽器貸し出しがあるか
- 駅から近くで通勤帰りに通えるか
- 先生の指導が丁寧か、教本は何か
- 月謝など毎月払える金額か
- 発表会があるか
でした。
月謝や発表会は、独身かつ働いていたので自己資金で払えるけれど、高額なものを買わされるのには抵抗はありました。
何ヶ所か回って、大手楽器店が運営している駅近で、私の希望が揃っている教室を選び入会しました。
大手教室で困ったこと、気になったこと
楽器貸し出しは無料で貸していただけるけれど、教室からの持ち出しはできない点は困りました。
家で練習したくても、楽器がなければ練習はできませんよね?
結局は、先生に私に合った楽器を選んでいただいて購入しました。
当時購入したのはヤマハの初心者向けモデル。購入価格は5万円程度でした。
現在、同じモデルでは約9万円に値上がりしています。
テキストは、一般的な有名テキストは使わず、独自テキストでした。
簡単な音楽理論の指導はあったけれど、わかりやすい解説だったのでよかったかなと思います。
そして、大手楽器店が運営している教室だったので、故障や点検を教室経由でお願いできるのはよかったです。
現在指導を受けている教室や指導は?
初めに通った教室は、結婚後も続けて妊娠7ヶ月まで続けました。
無事出産したけれど、体調がすぐれず、再度フルートを吹くのも大変な状態でした。
独学で吹いていた時代はあり、子育てで忙しかったので、ようやく再開させたのは51歳。
産後ずっと体調がすぐれない日が続き、引っ越しをしたから、教室探しは大変でした。
車や電車移動は体調を崩しやすくなるので、オンラインレッスンで受けられる教室を探しました。
最終的にインターネット上のカルチャースクールで、先生を探して体験レッスンを受けました。
このサイトの特徴は、
- 同じ楽器演奏でも、日本人と海外の先生とが混在する
- 語学力と同時に演奏の勉強ができる
- 他の分野お習い事も充実
- 月謝制ではなく、チケット制
- 必ずフォローアップがレッスン後に送られる
です。
気になる先生の体験レッスンを受けて、相性のよかった先生から今も指導を受けていて、順調に進んでいます。
オンラインレッスンで気になった点や困ったこと
実教室とほぼ一緒になる点はありますが、オンラインだからこそ困ることはあります。
やはり一番大きいのは楽器です。
大手楽器店のような「貸し出し制度」がないので、習う前に楽器を購入もしくはレンタルサービスで用意しておく必要はあります。
ヤマハが提供している「音レント」は、ピアノから管楽器に防音室の貸し出しがあります。
私は、初代フルートは全て部品交換が必要で、新品を購入するのと同じ値段。
思い切って新品の少しランクを上げたものにしました。
教本はフルート奏者が一番よく使う教本を使用しています。
オンラインレッスンは大変便利ですが、弱点はあります。
たまに回線や機材トラブルでオンラインレッスンが成立しない時があります。
一度だけ機材トラブルでパニクった
いきなり音声が消えたわね
先生からの申告で振替になる場合が多いけれど、いきなり発生した時に自分でも対応できるスキルは必要になります。
まとめとして
大人から特に40歳以降からのフルート演奏は、心と体を豊かにし、生活に彩りを与えてくれる素晴らしい趣味です。
少しずつ自分のペースで楽しむことで、日々の生活が充実し、フルートがあなたの心に安らぎをもたらしてくれるでしょう。
年齢に関係なく、新しい趣味を楽しむ気持ちは大切です。
フルートの音色とともに、あなたの人生をさらに豊かにする第一歩を踏み出してみませんか?