先にフルートを教わる先生・教室を決めて、次にやってくる話はなんでしょう?
しばらくは、貸し出しを受ける教室はありますが、慣れると自分用の楽器が欲しくなるものです。
教室でも、フルートの用意や購入については、相談に乗ってくれます。
「フルートをならいを習い始めたし、どんなフルートを買えばいいの?」
「初心者用じゃなくて、もっといい音が出るフルートが欲しい」
という声は、大人の初心者からよく聞かれます。
また、「フルートを買うとき、先生と一緒じゃないとダメ?」と迷う方も多いでしょう。
ここでは、大人の初心者がフルートを選ぶ際のポイントをわかりやすく説明します。
フルート演奏が全く初めての人はできれば初心者モデル。
すでにフルートを習い始めている人が見ると「え?いいの?」とびっくりする人はいるでしょう。
基本は「全くフルートを吹いたことがない人は初心者モデル」が定番です。
私がフルートを習い始めた時は洋銀製の「初心者フルート」を買い、再度習い直しを始めた時は頭部管のみ銀製の「初級モデル」を買っています。
先生と一緒に楽器店に行って、予算などを話して先生に選んでもらうのが、「本来の楽器の買い方」です。
私も最初は先生と一緒に選んだ
買い替えの時に一緒に選んだわね
楽器店でも、「初心者は洋銀か頭部管銀」と推奨するところがほとんどです。
参考にヤマハ・YFLー211の音をお聞きください。
※メンテナンスをサボっていたために、少々雑音が入ります。
中には、先走ってしまい上級者モデルをひとりで楽器店へ行き、買い求める方はいます。
こだわって上級者モデルを買って、フルートへの興味を失った時を考えれば、初心者から中級者モデルで購入を考えていいでしょう。
フルートの初心者モデルのいいところとは?
フルートの初心者モデルは、軽量で音が非常に出しやすいところがよい点です。
初心者モデルには、洋銀(もしくは白銅)が使われていて、材質の性質上、すくに音が出やすい素材です。
このフルートは、初めてフルートを習いに行った時に先生と選んだ初心者モデルです。
素材は洋銀で非常になりやすく、腕の負担も楽です。
フルートは「3点支点」と呼ばれる姿勢があり、この姿勢ができていないと、音出しや肩こり・腰痛にも影響がでます。
フルート初めて買う上でコスト面を抑えられる
楽器は高いものばかりで、楽器店にいくとピカピカした楽器に取り囲まれてめまいさえします。
気に入った楽器が見つかっても、とても手が届かない金額の楽器さえあります。
近年、物価高騰で楽器の価格も上がってはいますが、初心者が買いやすいモデルはあります。
「いつまで続けられるかわからないけれど」と不安に感じる方は、初心者モデルをお勧めします。
初心者モデルとして人気があり、価格や操作性がよいモデルを2つ紹介します。
※この価格は2024年12月2日時点での価格です。
素材の関係で、フルート独特の深みのある音は出てきませんが、曲によっては洋銀モデルで吹く奏者はいます。
余談として。フルートに使用される素材
フルートには、グレードごとに使われる材料が異なります。
グレード | 使用素材 |
初心者モデル | 洋銀・白銅(メーカーで異なる) |
初級モデル | 頭管部のみ銀・本体銀 |
中級モデル | 管体のみ銀・総銀 |
上級モデル(プロ使用も含む) | 総銀・金・プラチナ・木製 |
金額は初心者<初級<中級<上級と、上級モデルが一番高く、値段のつけようがないものはあります。
職人の手作業で作られたものは、店頭に並ばず依頼があった時のみに作られます。
長期的に考えてコスト面と体力面から中級モデルを選んでもよし
全く演奏経験がないけれど
「フルートをこれからずっと続けたい。金銭的に最初から中級モデルを買いたい。」
と希望する人はいます。
私もこれは考えた
私はストップかけたけどね
先生に内緒で中級モデルや上級モデルを買う方はいます!
購入費用はあっても、初心者では難しいモデルはあります。
ところが、大人の初心者が最初から中級モデルを買うといいメリットはあります。
フルート全体の素材にもよるが音に深みが出てくる
管体が銀・全て銀は、銀の上にメッキ加工をしていますが、吹いてみると初心者モデルとは全く違う音が出ます。
初心者で、中級者モデルを購入して最初は全く音が出ないでしょう。
しかし、徐々に正しい吹き方を学ぶと銀製ならではの奥の深い音は出ます。
時間はかかりますが、先生の指導のもとで吹き方を学ぶと、どんどん音は変わっていきます。
手入れさえしっかりし手荒に扱わなければ、故障しにくい
楽器全般にいえることで、
- 練習後は必ず楽器内部の水分は拭き取る
- ケースに入れる前に必ず指紋などの油分を拭き取る
- 定期的に楽器店のリペアマンの点検を受ける
ことは大事です。
どんなに高価なフルートを買ったとしても、手入れをしっかりして定期点検に出さなければ、楽器は故障してしまいます。
初心者の場合、フルートの置き方やタンポの手入れをおろそかにして、乱暴に扱う傾向はあります。
もしくは、先生の指示が出ていない曲を練習して、キィメカニズムに負担をかけてしまうことさえあります。
中級モデルはキィメカニズムはしっかりしたものを使用しているので、ガタ付きがあっても直しやすい点は大きいです。
体力や肺活量では中級モデルは大人に向いているかも
フルートは単純な作りながらも、体力と肺活量は結構使う楽器です。
私も、30代と50代のフルートの吹き方を比べると、今の50代は結構体力と息の量は使うと感じます。
中高生でも特に中学生の初心者なら、成長期なので中級モデルはきついかもしれません。
中学生の指導では肺活量をあげるように
指導はしてるよ
大人は指導次第で変わりますね
子供の指導と大人の指導は、当然変わってきます。
伸びるのが早いのは子供ですが、フルートの演奏に必要なものを地道に伸ばすのは「大人」が有利です。
中級モデルで音が出にくくても、徐々吹けるトレーニングをすれば、きちんと出てきます。
これらを考えると、大人の初心者が中級モデルを買うのは、先生次第になっても買うのは問題なしです。
中級モデル(管体銀製)でおすすめのモデルを紹介
総銀やゴールドが欲しいと思う方はいるかもしれません。
初心者向けや頭管部のみ銀のモデルを避けたいと思う人はいるはずです。
私も最初は買おうとして、予算から将来は買おうと決めたモデルはあります。
評判のいいモデルを一部紹介しましょう。
メーカー・モデル | 価格(税抜) |
ヤマハ・YFL-412(注1) | 225,500円 |
パールフルート・F-EP925/E | 374,000円 |
アルタス・A10(注2)(注3) | 418,000円 |
ムラマツ・GX | 508,200円 |
※この価格は2024年12月2日時点のものです。
(注1)このモデルはスタンダードモデルです。
(注2)A10でもAg925モデルの価格です。
(注3)価格については、ドルチェ楽器公式サイトでの表記価格です。
中級モデルは予算オーバーしてしまう!頭部管のみ銀製モデルも考えよう
中級モデルの管体銀製モデルの値段を見て、
「え!そんなに高いの!いいかもしれないけれど無理!」
と悲鳴をあげる方は多いです。
子猫もびっくりの価格ですよね?
メーカーのこだわりや構造、使用素材でどんどん値段が上がります。
- どんなモデルでも職人による手作り
- 細かい箇所へのこだわり
- 同じ中級モデルでも素材の純度を変えていく
などがあげられます。
さらに、物価上昇で現段階では、どんどん楽器全体の価格があがっていて、あがるタイミングさえわかりません。
「管体銀製が欲しかったけれど」と楽器購入自体を諦める方はいますが、大人からフルートを勉強する人や、学び直しに適しているモデルはあります。
「頭部管のみ銀製モデル」です!
頭部管というのは唄口がある部分ですが、この部分のみが銀製で頭部管以外は洋銀(もしくは白銅)のモデルです。
音は洋銀の明るさは入りるけれど、銀の深みが入ることで、洋銀独特の明るさが若干落ち着いた音に変化します。
私も買い直したのは
このモデルだよ
現在使用しているのはパールフルートのPF-665E(ドルチェ)使用しています。
実際に音出しした時の動画をご覧ください。
有名メーカーから頭部管のみモデルは出ていますが、予算と音の好みで選びました。
他にもメーカーごとに、演奏者にとって予算や操作性から頭部管・銀モデルを選んでも大丈夫です。
頭部管のみ銀で「これはおすすめ」のモデルの価格を紹介します。
※この価格は2024年12月2日時点のものです。
フルートを買うのに先生に来てもらって選ぶのがいい?
よく楽器購入で「先生と一緒に楽器店へ行って、選んでもらいなさい」とは言われます。
すでにフルートをレンタルで借りているなら、先生が生徒のくせを知っています。
生徒が吹きやすいモデルを選んでくれるけれど、一人で購入は難しいのでしょうか?
購入前に先生によく相談する。同伴可能ならきてもらってOK
ひとりで楽器店に行き、購入するのは問題はありません。
しかし、購入する前に必ず先生に先生に相談し、どういうモデルがいいかを相談してください。
私自身、オンラインレッスンで受講していて先生が東京ですから、しっかりどのモデルがいいかを先生に相談しました。
いろんなモデルを提案してくれたね
このメーカーならと資料を
メールで送ったわね
先生からの資料をもとに、楽器店をいくつか巡って、詳しく楽器の説明をして対応が良かったお店で購入しました。
事情を説明すると、試奏の際に見てくださって、相談に乗っていただけました。
もし、先生が一緒に来てくださるなら、先生が生徒の希望を聞きながら選んでくださいます。
数本選んでくださった中から、自分の希望のものを選ぶといいでしょう。
選んでいただいたフルートは、必ず試奏して、自分が納得するものを購入しましょう。
どうしてもひとりで楽器店でフルートを選ぶ場合は?
先生が遠方にいらっしゃる場合などで、先生に選んでもらえない場合はどうすればいいでしょうか?
先生に事前に相談して、お勧めモデルをお聞きするのは当然。
何軒か楽器店を訪れてみて、対応が丁寧で質問にテキパキ答えられる店員さんがいるお店で購入しましょう。
できれば、友人や知り合いで
楽器に詳しい人が付き添いだといいよ
楽器店によっては、声をかけた店員がリペアマンさんで、メーカーの特徴をしっかり把握している方だと安心です。
まれに、金管楽器専門の店員で木管は苦手という方はいるので、その際は日を改めていきましょう。
どうしても気に入った楽器が見つからない場合は、無理に買わずに先生などプロの方の「選定」をお願いするのが安全です。
まとめとして
大人の初心者だからこそ、じっくりと検討してフルートは買って欲しいです。
中級モデルを最初から買うというのもありですが、初心者モデル・初級モデルから初める方が人によってはいいパターンはあります。
先生に自分にあうフルートを選んでもらうと安心ですが、どうしてもひとりで選ぶ場合は先生とよく相談して信頼できる楽器店で購入しましょう。
ネット通販でも気軽に購入できますが、輸送中にキーに歪みがでる場合はあるので、最初は避けましょう。
初めてのフルート選びは、その後のフルートライフを変えるかもしれないので、慎重に選んで「自分の大切なフルート」として育てていってください。